冷凍馬刺しの基本の解凍方法は、真空包装のまま水中で10〜15分程度解凍し、中心が少し凍った半解凍の状態でスライスすることです。この記事では、馬刺し専門店の若丸が、解凍のコツ、きれいな切り方、解凍後に気をつけることを順番に解説します。

冷凍馬刺しの基本的な解凍方法
馬刺しの解凍方法の手順
※以下は赤身・ロース・ヒレなど通常の馬刺しの解凍方法です。タテガミ刺し・三枚刺し・フタエゴ刺しは、なるべく冷凍状態のまま薄くスライスしてください。
- ボウルなどの容器に水を張ります。
- 馬刺しを真空包装のまま水に沈めます。袋は開けずにそのまま使います。
- 10〜15分程度を目安に解凍します。
- 袋の上から軽く押してみて、表面はやわらかく、中心が少し凍っている状態になったら取り出します。
- 袋から出し、表面の水気をペーパータオルで軽く押さえてからスライスします。
馬刺しの解凍時間の目安と調整
10〜15分程度はあくまで目安です。馬刺しの解凍時間は、肉の大きさや厚み、冷凍庫から出したときの状態によって変わります。小さめや薄めのブロックは早めに、大きく厚みのあるブロックは少し長めに調整してください。
解凍しすぎないように、水につけたまま放置せず、途中で袋の上から触って状態を確かめるのがポイントです。
馬刺しを半解凍で切る理由
完全に解凍した馬刺しはやわらかく、包丁を入れると身が逃げて形がくずれやすくなります。中心が少し凍っている半解凍の状態でスライスすると、肉に適度な硬さがあるため、薄くきれいにスライスできます。断面も整い、盛り付けたときの見た目もよくなります。
馬刺しをきれいに切るコツ
よく切れる包丁を使う
切れ味の悪い包丁では肉を押しつぶしてしまい、断面が荒れやすくなります。よく切れる清潔な包丁を使い、肉を押しつぶさないように切ってください。
繊維の見方と切る方向
肉の表面に筋のように走って見える線が繊維です。基本は繊維を断つ方向(繊維に対して垂直)に包丁を入れます。繊維に沿って切ると、噛み切りにくい食感になりやすいので注意しましょう。
厚さは部位や好みで調整
馬刺しは薄切りにすると口当たりが軽く、少し厚めに切ると肉の食感をしっかり楽しめます。部位や好みに合わせて厚さを調整してください。切った馬刺しは時間を置かず、速やかにお召し上がりください。
部位によって切り方が異なる
赤身・ロース・ヒレなど通常の馬刺しは、前述のとおり半解凍でスライスします。一方、タテガミ刺し・三枚刺し・フタエゴ刺しは、なるべく冷凍状態のまま薄くスライスします。脂身を多く含む部位は、やわらかくなると薄く切りにくくなるためです。
| 部位 | 切るときの状態 | ポイント |
|---|---|---|
| 赤身・ロース・ヒレなど | 半解凍 | 中心が少し凍った状態で、繊維を断つ方向に切る |
| タテガミ刺し | なるべく冷凍状態のまま | 凍ったまま薄くスライスする |
| 三枚刺し | なるべく冷凍状態のまま | 脂と赤身の層がくずれないよう薄くスライスする |
| フタエゴ刺し | なるべく冷凍状態のまま | 凍ったまま薄くスライスする |
たとえば赤身の馬刺しは半解凍で、タテガミ刺しや三枚刺しはなるべく冷凍状態のまま切るなど、部位ごとに切り分けるとそれぞれの持ち味を楽しめます。部位の詳しい特徴は「馬刺しの部位を徹底解説」でご紹介しています。
馬刺しの解凍で避けたいこと
通常の生食用馬刺しは、短時間で半解凍にするのが基本です。次のような方法は若丸ではおすすめしていないため、避けてください。
- 電子レンジでの解凍:部分的に加熱されて、色や食感が変わってしまいます。
- 常温での放置:温度管理ができず、品質が損なわれるおそれがあります。
- 冷蔵庫での長時間解凍:品質、風味を大きく損なう原因となります。また、解凍し過ぎると薄くスライスしづらくなり食感を損なう原因にもなります。
- 解凍後の再凍結:品質が大きく低下するため避けてください。
馬刺しを解凍しすぎた場合
完全に解凍した馬刺しはやわらかくなり、薄く切りにくくなります。その場合は無理に薄くしようとせず、よく切れる包丁で少し厚めに、ていねいに切ってください。なお、温度管理が不適切だったものや長時間放置したものは、食べるのを控えてください。
解凍した馬刺しの色が暗く見えるのはなぜ?
真空包装から出した直後の馬刺しは、暗い赤紫色に見える場合があります。肉の色のもとになる色素たんぱく質「ミオグロビン」は、酸素に触れていない状態では暗い赤紫色をしています。袋から出して空気中の酸素と結びつくと、鮮やかな赤色に変わる場合があります。こうした馬刺しの色の変化は、肉の性質によるものです。
ただし、色だけで鮮度や安全性を判断・保証することはできません。異臭がする、ぬめりがある、包装が破れている・膨らんでいるなど、いつもと違う様子があるときは食べないでください。
馬刺しの解凍後の保存と注意点
解凍後は当日中にお召し上がりいただき、再凍結はお避けください。
生食でのご利用は、開封後速やかにお召し上がりください。2時間以上経過したものは加熱処理をしてください。2時間は上限の目安であり、2時間未満であれば安全という意味ではありません。室温や保管の状態によって品質は変わるため、開封後はできるだけ早くお召し上がりください。
切り分けるときは、清潔な包丁とまな板を使いましょう。生肉に使った調理器具は、使用後すぐに洗ってください。
また、生食にはリスクがあります。お子様、ご高齢の方、妊娠中の方、体調のすぐれない方など抵抗力の弱い方は、生食を控えてください。
よくある質問
まとめ
冷凍馬刺しの基本の解凍方法は、真空包装のまま水中で10〜15分程度解凍し、中心が少し凍った半解凍の状態でスライスすることです。よく切れる包丁で繊維を断つ方向に切り、タテガミ刺し・三枚刺し・フタエゴ刺しはなるべく冷凍状態のまま薄く切りましょう。解凍後は当日中に食べ、再凍結は避けてください。
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